1週間のニューヨーク滞在はあっというまに終わった

 

 ロブスター4匹を大鍋で一度に入れてゆでる。付け合わせに、サラダと、トウモロコシ、ロブスターは溶かしバターにつけていただく。

 卵の入っているのは、雌のロブスター。私とミミちゃんは、雄で、息子とMさんは、雌だった。「結婚するから、雄と雌なのよ。」とミミちゃんが。 

 翌朝、ミミちゃんは、台所に座って、アップルサイダーを少しづつ飲んでいたが、頭が痛いと言い出した。

 私がおでこに手をやると、熱があるように感じたので、「お熱があるのじゃないかな。」と言うと、ママは、「学校に行きたくないから、言ってるのです。ミミちゃん、用意しないと遅れるから。」と促しても、座ったまま。小さな手で目を覆うようにして、涙ぐんでいる。遅刻する時間になって、母親は、「お医者さんに行けば、遅刻しても大丈夫だから、医者に連れて行きます。」と言っていたが、そのうち、「年に一度くらい安んでもいいから、今日は休ませます。」ということになった。休めると聞くと、ミミちゃんは俄然元気に。

 ミミちゃんは、私に、いつ帰るのか、と聞いていた。明日、私が帰ってしまうのが寂しいのだと、母親は言う。客があると、いつもこうなるそう。

 久しぶりの快晴の中、3人で出かけた。フォレストヒルの森の中を抜けて、地下鉄のフォレストヒル駅まで、散歩をかねて歩いた。

 森の中に、お城や、豪邸が建ち並んでいる。ユダヤ人のお金持ちが住んでいる。森が私有地になっている。

 ハローインの飾りつけが、庭に施されている。劇場のような庭先で、上演を見るような

舞台装置と演技者の骸骨や悪魔、という大がかりなものもある。

ミミちゃんは、マンホールがあると、そこで踊って見せる。丸い鐵の形を見ると、ねじを巻いたお人形のように踊る。すこぶる元気だ。

フォレストヒルの通りは、おしゃれで、ここだけで、ユダヤ人が生活出来るようになっている。主たる銀行、ショッピング、病院、学校、全てそろっている。勉強熱心なユダヤ人のこと、本屋さんは、バーニーズが大きな店舗を構えている。トイレに行きたくなり、そこにはあるというので、そこで二人と別れた。

 二人は図書館に、私は、もう一度、メトロポリタン美術館に。

少し紅葉

 水曜日から、と言われていた、「侍のアート」という特別展が、メトロポリタンの会員だけに、事前公開されていて、私も入る事が出来た。

 100本以上もあるかと思われる、刀が展示されている。国宝、重要文化財ばかり。

国立博物館や、日本の神社に保管されているものなど、普段は見ることの出来ないものばかり。刀研ぎのビデオが流れて、じっと見入るアメリカ人達。ある人に、何故刀があのように曲がっているのか?聞かれて、美しさの為か、切りやすいからではないかと答えたが、実際はわからない。西洋では、剣はまっすぐだ。焼きを入れているのを見て、どうしてかと聞くので、鋼を強くする為だ、と答えたが、形を形成するためでもあるなあ、とあとで思った。日本人だから、知ってると思われても、無関心で、知識がないことの方が多いので、しどろもどろ。

 鎧、かぶと、陣羽織など、日本の侍が、身につける品々を展示している。

 最後の夜は、私がカレーを作るので、煮込んでいた材料に、仕上げをしなければならない。夕方帰ると、すでに、息子も帰っていた。

  あっという間に、1週間が過ぎた。夜中、このアパートの近くから、飛行場までバスで帰る。空港に近いので、30分もあれば、空港に。