自信と誇りの持てる仕事を求める若者達

 

先日来、壁と屋根の塗装の見積もりを依頼していた。インターネットのお陰で、塗装の知識が出来るので、塗装業者は、やりにいくいだろう。

これはと思う業者に見積もりを依頼して、合い見積もりの結果、最上の状態で、契約出来たと思う。だめもとで良いからと、一旦お断りしたのに、説明に来てくれた業者に、結局は決めることになった。

 若いけれど、しっかりしていて、塗装にかけた情熱がすごい。仕事はどこよりもきっちりしてくれると確信が持てたけれど、値段は、他よりも高かった。ここでしたいと思わせる所は、なかなかのもの。他の業者が薦めていた、日本ペイントの同じ塗料で、やりかたは、ずっと丁寧で、これだけの仕事をしてくれる所だったら、と心が動くが、予算はない。

 大手の仕事を手がけているという、1級塗装免許を持っている塗装業者が来て、「この塗装は相当仕事が良い。」と言われたので、家を建てた工務店に言うと、「うちでする方が安いと思いますよ。」と言う。私が自分の予算を告げると、「それぐらいなら出来ますよ。随分高く言われるでしよう。」と言うので、見積もりを持ってくる予定の若い塗装屋さんに電話で、工務店に頼むから、見積もりは要りませんと断った。「とにかく今後の為に説明だけさせてほしい。勉強にしてもらえたらそれで嬉しいから。」というので、そこまで言われるのならと。

実際に話を聞くと、なるほどとは思うものの、予算には程遠い。別の業者でもらった見積もりと、同じ塗料を使っているけれど、説明を聞くと、まったく作業が違っている。これ以上の方法はないという丁寧さ。

でも、予算がないから、あきらめるしかない。

「うちは、マージンを取るから、塗装屋にはきつい仕事だけど、それだけ宣伝になりますから。それに仕事が悪かったら、次に仕事がもらえないから、きっちりした仕事をします。」と工務店から言われた事を言うと、

「それは本当です。ものすごいマージンを取られて、儲けは全くない。作業させてもらうだけ。だからそういう風にやらされると、塗料を薄めたり、良い仕事が出来ない所が出てくるのです。僕達は、良い仕事をして、お客さんに喜んでもらって、僕たちも儲けがあるようにと、直接仕事を取っています。」

「何か、費用以外に、不満な所はありますか?」と、聞くので、全くないけど、予算がないと答えた。

すると、宣伝用に垂れ幕をはらしてもらって、今の作業が終わり次第、足場をこちらで使うということで、金額は聞かれても近所の人に絶対に言わないで、と幾つかの条件付きで、私の予算でやってもらえることになった。

私の家は、宣伝にもってこいの場所にあるらしい。目立つ場所に建っていて、周りは塗り替えの必要な家が幾つもある。ここでの仕事が次に繋がるようにとのことで、契約は成立した。近所周りは、彼らが粗品を持ってまわってくれるそうだ。

丁寧で、礼儀正しくて、最初会った時から、好感の持てる若者達。どこでも好かれそう。おじいちゃんが塗装業を、お父さんは教師になって、

お兄さんは自衛隊に入り、彼は塗装の仕事を継いだそうだ。きっちりした家庭に育ったのはよくわかる。最近、日本の巧みを受け継ぎたい若者が増えている。やりがいのある仕事、喜んでもらえる仕事、誇りを持ってやれる仕事を求める若もの達が増えている。