老け専

 

 

グループホームに行くと、代表がコンピューターに向かって仕事をしていた。昨夜のお礼を言うと、「今日は来ないのかなと話してたんです。あなた、もてもてだったわね。」

「いえ、珍しい客が来たから、珍しくてからかってたんですよ。」

昨夜、最長老の男性が、別にテーブルで、作業している。大学の社会福祉の教授だった?とかいう人で、昔はハンサムだったに違いない。背は低いけれど、男前で、片岡仁佐衛門に目元、口元が良く似ている。昨夜は元気はつらつという感じだったのに、今日は一変して、しぼんで老いこんで、猫背でぼそぼそコンピューターと書類を照らし合わせている。

代表は、後に残った人達が帰ったのも知らずに、座ったままの姿勢で寝ていたという。友人のお母さんも、パリ行きは飛行機が辛いのでは?と聞くと、全然平気だと言われる。飛行機の中で寝てますから、と。どこでもどんな姿勢でも寝られる人でないと、人を使って仕事出来ないかも。お二人には共通するものがある。小柄で、ダイナマイトのようにタフで、派手好き、お洒落で、男友達が多くて、経営の手腕があって、人使いが上手。男達は女王にかしずくように仕えて群がって来る。人に使われるタイプではない。

 私って、そのまるで反対だ。使われやすいタイプの典型。神経質とずぼらが同居していて、すぐに疲れるから、持続性がない。情熱的ではなく、さりとてクールでもない。中途半端な人間だから、「良い人」なんて言われるだけで、一目置かれることはない。

昨夜も、新入りで、からかいの対象になっていた。友人から、「老け専」なんてレッテル貼られているけれど、昨夜も、老け受けしていたようで。

 魅力的な男性に持てたら、総スカン食らう所だけど、老け専は、重宝がられる。年寄りのお守なんて皆したくないから。