世間は病む 我は病む

 

 

 心が萎えると、体も萎える。元気出していきまっしょ、とは言っているが、体中悲鳴を上げている。病院には、癌患者で一杯だ。どうしてこんなに癌を病んでいる人が多いのだろうか。

今から手術するという患者さんは、体力をつけるために、廊下を行き来して歩いている。話をすると、萎えるばかり。

 昨日、エレベーターで出会った人が、母のいる北病棟は、別名、癌病棟、癌の患者さんは、北病棟に。以前はそうだったと言われた。今はどうかわからないが、ベッドで運ばれている患者さんは、相当のお年寄りで、死の床に沈んでいるような人ばかり。

 近隣の病室から、悪臭が漂う。ガーゼ交換なのか、膿の匂いがする。

 そんな環境の中で、元気になれるわけはない。周りが病んでいるのだから、私の心も病み、身体が病む。

 癌の要因の一つにストレスから、と言われるようになっている。世間は、様々な面で病んでいる。

 病院に、癌患者が充満している。やりきれない辛さ、周りが病むと、私も病む。

五木寛之の「養生の技術」という本に、作独自の健康法が書かれている。50年間病院の世話にならずに暮らしている秘訣の一つとして、病院には、出来るだ行かないように、病院は、病気の巣だから、と書いて言る。

 毎日、病院で長時間いるのが心配になってきた。 母には早く退院してもらわなくちゃ。ストレスと冷房で、体中おかしくなっている。関節が痛いよお。