「わが心のオルガン」

 

 使ったことのなかった、ツタヤのクレジットカードが出てきた。期限は7月まで。裏を見ると、クラスAが使える。以前に、銀行のカードで、それが使えたが、そのサービスがなくなっていた。このまま没にしてしまうのはもったいないので、コナミの帰りに、いつも目には入るが、入った事のなかった店に行ってみた。目的は「梅蘭芳花の生涯」という映画のビデオだった。

今年の4月に上映されていたらしいが、今では地方の特別な場所でしか見られない。玉三郎が敬愛した、京劇の女形で、「牡丹亭」を玉三郎が上演する、礎となったスター。彼の生涯を描いた作品だ。そのビデオはまだ入っていなかった。友人から勧めてもらっていた、イビョンフォン主演の「わが心のオルガン」という韓国映画があったので、それを借りた。

 友人が感動したという作品で、前評判への期待がおおきすぎたせいか、それとも、家のテレビで、間に邪魔が入りながら見ていたためか、それほど惹きこまれて、という感覚はなかった。客観的に見ることのできる映画で、リアリズムに徹している。17歳の少女が、新米教師に、抱く複雑な感情、行動が、見事に描写されている。

 映画のラストシーンによって、この映画の全ての意味、価値とともに、感動を呼び起こす。出来事の必然性が、最後のシーンによって、証明される、という、何か数学的な法則、感動を生む、明らかさを実感する。

 見終わって、ほのぼのと、いつまでも心に残る「愛のぬくもり」登場人物と共感する、郷愁。「わが心のオルガン」のように、なつかしく、心に響く。

以下は、DVD紹介からの抜粋

 1960年代の田舎の学校を背景に,赴任したチョンガー先生と彼を片思いする女子生徒との切ない愛を描いた叙情的な映画

▼60年代の初め,江原道の山里の村に住む17歳の少女ユン・ホンヨンは,晩学の小学生。ある日,道の曲がり角でサンリ小学校に赴任する21歳の独身教師カン・スハと偶然に会い,<お嬢さん>と初めて呼んでくれた彼を愛すようになる。

▼ホンヨンの担任をするようになったスハ。ホンヨンがスハに提出する日記帳は,慎ましい愛の告白で満杯だけれど,スハはホンヨンの気持ちを考えず返してしまう。スハは,同じ日に赴任した美しい同僚教師ヤン・ウニに好感を持っていて,ホンヨンの期待に違い,子供たち間ではスハとウニのうわさが出回る。

▼しかし,ウニは,ソウルの婚約者とともにサンフランシスコに留学するため学校をやめてしまう。スハは失恋の痛みで苦しがるけれど,ホンヨンの胸は喜びで一杯だ。

 

 1999年の作品。