「母の熱が7度4分くらいになり、落ち着いているし、洗髪させてもらっての良いですか?」
その日の看護婦さんは、優しくて、感じの良い人だった。 先日も、確か私が帰っている間に洗ってもらっていて、バスタオルを持ち帰った。
実習するのは、研修生で、一緒に補佐しながら教える。
「また、今度でいいですから。今日は良いです。」
母は、必ず断る。お身体拭かせていただきますが。足湯をさせていただきますが。まだ、シャワーまでは、許可が出ていない。
悉く、母の意向は、「いえ、今日でなくても。」という。
「ベッドで洗いますので、」と言われる。そんなこと出来るの?へー。
シーツを頭の下に引き、ゴムボートのような円形の形をしたものに、頭を入れる。お湯を注ぎ入れる。横は余分な水が流れるようになっていて、バケツで流れた水を受ける。
シャンプーで二度洗いして、ポットに入れたお湯を看護婦さんが、流し、実習生は、髪を洗い、マッサージして、濯ぐ役。汗が顔を伝っているのを見て、母は
「大変ですね。汗が出てますよ。すみません。」
気持ちがよいらしく、うっとりした顔をしている。
こんな風にして、髪が洗えるのだ、と感心する。
寝たまま、入浴が出きる、循環サービスがあると聞いたことがある。
家での介護に、私の知らない、様々な方法でのサービスがあるのだろう。隣の患者は、ひどい床ずれで入院しているとか。
デイサービスとショートステイを受けていて、なんで床ずれ何や?と不思議に思うけど。
寝たきりで、ケアーしてなかったのではないの?