私の尊敬する人

 

 

命をかけて、一筋の道をひたすらに進む人がいる。そういう人を私は尊敬する。私のように、安易な人間にはとても出来ないこと、でも最高のあこがれを持って賛辞を送りたい。 彼らは、神が及ぼす力を超えている。

メフィストの囁きにも、屈することなく、ただひたすら一筋の道を進む。人間の自由と可能性、神と対峙しうる、尊厳を持って。その代表者に、芸術家がいる。あけてもくれても、ひたすらに真理を求める勉学者がいる。科学者がいる。

彼らの目指すところは、「生き方」にある。サルトルなら、それを、道具と言う言葉で表現するだろう。古典的な言葉なら、才能と置き換えられるだろうか。

 神に選ばれし人々だ、と凡人は言うかもしれない。

私はそうは思っていない。最大に神と戦い、運命、宿命と戦った人達だ、と思っている。ゴッホであり、モジリアーニであり、吉田さんであった。ただひたすらに、ひと筋の道を追い求め、実践し、この世を生き抜いた人。私が尊敬してやまない人達とは、そういう人達だ。命をかけて、一筋の道を、不器用なまでんび、かけぬけた人達だ。