ANAでパリに

 

 吉田さんの葬儀が、24日、パリのモンパルナス墓地で行われ、その翌日に埋葬される、というメールをもらったのは、21日の夜だった。母は預かっているので、伺える状態ではない、と思っていたので、夜中インターネットで調べて、パリの住所にお花が送れることを知り、写真に載っている一番大きなのを注文したら、途中でクレジットカードの認証の所でミスがあった。電話をして、クレジット番号を伝え、そうこうしている内に4時を過ぎた。翌日の朝、飛行機の空きを調べると、ANAに席がある。友人に電話をして、アアパートを、借りられるかを聞き、それから予約を入れた。とりあえず、押さえられるのは夜の9時まで。

 薬局に電話をしたら、母が私を他の人と間違えるのは、薬の副作用によるものかもしれないという事を聞き、薬は飲ませずに、 母を連れて、医者に検査結果を聞きに行く。内蔵はどこも悪くないから、下がらない熱は、手首の炎症の為だという。今朝、薬局で、母の異変が、強い抗生物質の副作用による可能性が あると言われたことを告げると、それなら、全ての薬をやめてみてはどうか、と。

 成田

 母を夙川に送り、家に帰ると、パリ行きの準備を始めた。残り物は一杯あるし、母が来ていたので、片付けなど、することが沢山ある。夕方、友人と会食の約束をしていたが、 延期してもらった。

飛行機が空いていなかったら、飛行機代が高かったら、母の病状が悪く、入院などと言われていたら、行けなかったけれど、吉田さんの葬儀に出られるように、全てが運ばれたような気がする。出来れば、葬儀に出たいと思っていたから、きっと吉田さんが、お膳立てしてくださったのだろう。

 こうして、23日の朝、一番に飛行機に乗った。昨夜も、その前の日もほとんど寝ていなかったので、心臓が少しおかしい。飛行機は、満席だった。12時間半、持つかな、と思ったが、居眠りと映画を2本見ているうちに、時間は過ぎていった。

 ANAは、人気の高い航空会社だが、確かに、と納得する。食べ物は美味しい。映画やビデオ、ゲームなどエンターテイメントが充実していて、座席の前にある画面で好きなように見られる。今年に数々のアカデミー賞を取った「スラム、ミリオネアー」を3度挑戦して見た。最初はほとんどい寝てしまい、2度目にまた寝て、途中から。次にまた最初から、見たところまで。

 次に「良き人の為のソナタ」この映画がとても良かった。終わる頃、あと1時間でパリ院到着すろというアナウンスがあった。

 これからは、ANAを利用したい、と思うくらい、エコノミーでもそれほど疲れなかった。サービスも充実している。ただ、マイルが70パーセントしかもらえないのが唯一の難点だけど、映画が好きな私には、すごく魅力的。すべて日本語字幕付きで、映画を見ることが出来る。 見たいと思う作品が豊富にそろっている。

 成田からだけど、直行便だということで随分楽だ。食事は美味しいし、アルコール類も無料、サービスが行き届いていて、全ての日本語対応だから不安がない。ANAが人気トップなのは、それだけの理由があることがわかった。