草食動物化してる男達

 

 

 女が強くなり、男は弱くなった。草食化している男達が多いのは、問題だ、と渡辺淳一は、最近、あちらこちらからの出演依頼で忙しい。かよわき男達に、恋の伝授をするためによばれている。渡辺淳一は、二頭しか追えないものは、一頭もえず、という。

 つねに周りをみて、アタックする必要がある。というけれど、それは、渡辺さんのように、男社会に生きてきた人の話ではないか、競争社会、闘争心を燃やす環境の中で、欲望が強かったから。

 

 一人遊びを楽しむ男達が多くなっている、今の環境は、人は人、自分は自分、で、競争心、嫉妬、闘争心を持たない社会になってる。コンピューター、ビデオ、ゲーム、どれも一人遊びの対象で、相手は人間から、モノ化している。

 そういう社会は、ある意味で、充実した社会なのである。欲望とは、渇望がなければ生まれない。

 女装が増えている。女装によって、男は、女を自分化し、いわば両性具有の存在になれる。これも一人で、充足している例でる。この世の中、タブーがなくなっている。 自由度が増すたびに、欲望は衰退していく。

 少子化の問題は、そのうち、女たちによって補われるだろうし、海外からの流入によって、解決の道が出てくるだろう。

しばらくの間、女性を必要としない男達がいて、貧しくなった日本から、再び、欲望と、闘争心の強い人間が出てくるだろう。

 渡辺さんが、伝授してもしなくても、興味を示さない男達が、多いのは、充足した社会に原因がある。