エスパス、ジャポン

エスパス、ジャポンというどこかで聞き覚えのある場所で、日本人の写真展があるので、見に行った。地下鉄のレパブリックが最寄り駅だと書いているので、そこで降り、地下鉄内にあるカルチエ(その当たり場所)の地図でみると、ナンシーという通りは載っていない。地上に上がり、歩き始めると、案内図があったので、もう一度見ると、その方がかなり詳しくて、ナンシー通りも載っていた。小さな通りで、エスパズ、ジャポンと黒い日本語の文字が目立つ。

 写真は、「尾瀬沼の公園」と題して、何枚か写真が展示されている。男の人が、座って、本を読んでいる。どうもその人が写真家の岩沢昇平という人らしい。他にはコンピューターを前に、調べている初老の女性がいる。事務所があり、関係者ばかりのよう。

図書館にもなっていて、日本の新聞、雑誌、書物が並んでいる。

 一通り写真を見せてもらって、しばらく見ていない新聞を読ませてもらって、そこを出た。日本料理、フランス料理などの料理講習、日本語教室などのポスターがある。

がらんとして、日本人らしき人は、写真家と、それには全く関係ない、女性と二人だけ。 話すきっかけもつかめない、静かさと、

 

無関心さなので、こちらも気を遣うことなもなく。

パリの中の小さな歪みのような、エスパス、ジャポンは、細くて短い通りに、ひっそりと息をして建っていた。