パリでレンタカー

 

 

二日間、歩きに歩いて、疲れは頂点に達しているというのに、予約していたレンタカーを、朝から借りに行く。近くにある店に、インターネットから予約を入れていた。

 オフィスに、たった一人で客の応対をしている女性は、両脇から電話を受けながらで、仕事がなかなか進まない。前に2人いた客が済むまで、30分以上待たされた。9時のオープンに行って、この待たされよう。途中で、受付嬢は、「ヌ、キ、テ、パ」テーブルに置いている電話に大声で叫ぶ。切らないで、と言っているのだけれど、事情のわからない客は、心臓がどきりとする。

 あんあ仕事で良く通じるなあ、とあきれ顔の息子。フランスは、社会主義の国だから、お役所仕事、プライベートなのかどうか、長電話をしながら、客を待たす人だっている。 オフィスから出ると、「あの人俳優かなにかだったみたいだね。」同じ事を思っている。身のこなし、顔の作り方、確かに演技者か、であったかに違いない。独特の雰囲気がある。メリルストリープ風の美人。頭の上に乗せていたサングラスが、電話機を取ろうとして、がくっと鼻の上に落ちてきたきのおかしさ。

 車を受け取る場所は、事務所から5分は離れている。大きな食品倉庫と同じ場所にあるので、大型のトラックなども入ってくる。

 契約は一番安い車だったので、シトロエンの3ドア級だったが、もらったのは、プジョーの4ドア。小さいけれど、ナビと保険をつけると、一日120ユーロ。マニュアルだし、安くない。

 ナビがなければ、パリから出て行けないだろう。便利だ。ロワールの城巡りを、レンタカーですることになった。まずは、ロアール古城巡りでかかせない、有名なシャンボール城めざして車を走らせる。フランスの交通方式をすぐに理解して、2時間の予定を1時間半でかけぬけた。小さいときから、さすが車好きなだけある。

に。