両性具有

 

 

 私は、社会性がない、と友人から言われた。社会性のなさはどこにあるかと聞くと、私が家族の話をするからだという。公の場で、話題にだすものではない。そう言われると、私はよく母の事、父の事を話題に出す。父との思い出、父が言ったこと、父が好きだったことなど、口につく。だから、私はファーザー、コンプレックスらしい。母の事も出てくる。母の優しさ、母が素敵な人で、誰からも愛される存在だと思っている事が出てしまう。マザー、コンプレックスらしい。とすれば、私は以前から、そうではないかと懸念していた、両性具有のようだ。男であって、女、女であって、男。男女にちがいない。まあ、できそこないという所だろうか。先日、深夜テレビで、変なおっさんが出てきて、下着にブラジャーをはめている。長い髪のかつらをかぶり、何度もファッションを変えて出てくるが、裸同然の下着姿も披露。その人が、両性具有の存在なのだと、講釈を垂れていた。感化された、対抗者の男性は、勧められて、ブラジャーをつけてみると、なんだか、その気になって来たらしい。

 人間には、気付かないでいる、深層心理が存在する。ある日、突然それが表面化して、自覚する時が来るかもしれない。未来になにが起こるか、それは未知なのだ。ファーザーコンプレックスと、マザーコンプレックスという、どっちつかずのできそこない。深層心理が爆発するとしたら、

どういう風に?ああ、そうだった、私の社会性のなさを問題にしていたのだった。眠れぬままに、深夜孝。