吉在門

 

 

梅田界隈に4軒の店を出している「吉在門」という店は不思議な店だ。最初に美味しいと思っても、二度目には、こんなものだったのか、と思うのが普通なのだけど、行く前には、あの味はこうという頭があるのに、食べるといつもここに来て良かったと思わせてくれる。 店のスローガンに「専門店以上を目指す」と書いてある。魚がメインの店だと思えば、お肉も上質のものを、最高の美味しさで提供してくれる。

 3000円の白フランス

 ワインの種類はそれほどないけれど、どれを頼んでも、ちゃんとしたものを選んである。値段はそれほど高くない。最高に高いもので、5、6千円。

  

 魚も良いけれど、ここで食べたくなるのは、お肉のコロッケと、パルメザンチーズがたっぷり乗った、シザーサラダ。今夜は、魚をやめて、洋食にワインを選んだ。あえて、造りはやめて。あらかじめ魚を食べてからのサラダとは、また違った美味しさ。サラダは最初に食べるのが一番美味しい。車エビの天ぷら、肉のコロッケ、それだけではやはり物足りない。

 

カウンターの前で、にらみつけている蟹が気になって、一番安い、タラバガニの陶板焼きを注文してしまった。その日の一番高いメインになる料理なので、肉の陶板焼きにすべきだったかもしれないが、。最近、出来るだけ肉は避けたいという意識が働いて、つい魚に頼る。この店では、それがまた正解なのだ。ここでまた肉を食べると、あとが続かない。

 最後に、この店では、はずせないものがある。釜飯だ。蟹か、鯛かの二種類しかないけれど、蟹は食べたので、鯛の釜飯に。いつもよりも更に、美味しいと感じられる。

 

 あえて、サラダからの洋食に始まり、蟹の陶板焼きのメイン最後は、ほんのりと油の載った釜飯で終わる。 この選択は正解だった。「専門店よりも美味しく」という意味がここにある。