空港のラウンジで夜を明かす

 

シンガポール空港は24時間オープンなので、空港のラウンジも24時間開いている所が多い。ラウンジは、空港のサービスによって様々な違いがあるようだ。シンガポール空港のゴールドラウンジは、スターアライアンスメンバーのゴールドメンバーが利用できるようになっている。シャワーを備えているかなと期待したがなかった。普通の椅子だけで、横になれるようなものはない。トラスファーのコーナーにあるソファーの方が眠れそうだし、空港の中にシャワー設備も、どこかに備えている。なので、ラウンジを利用しなくても、空港の中で夜明かしは出来るだろう。

 空港につくと、まず、チケットカウンターに行き、明日のチケットを交換してもらった。隣が空いた席があれば、変えてほしい、と。ついでに、マイルがインプットされていることを確かめた。以前に席を変えてもらったら、マイルが入っていないで、後で申告するのに手間がかかったことを思い出したからだ。

 空港のラウンジに入ると、客は誰もいない。明日の朝までお世話になります。給仕が、カレーを引き上げる所だった。ビールとサンドイッチを取り、椅子にどっかり腰をすえる。今日は一日中、歩き続けた足が痛む。焼けているような痛さ。延べ10時間以上歩いた。 お湯に足を浸けると楽になるのだが。階下にある、プライオリティークラブのラウンジに行けば、シャワーがあり、仮眠ようのカプセルがあるが、もう歩きたくない。また荷物を持って移動する元気はなくなっている。ビールを飲んでも回らない。何か、緊張して張っている感じがする。

 

給仕さんが、カレーの変わりに、スパゲッティーを持ってきた。ピリ辛のスパゲッティーに、更にタバスコをふって食べる。美味しいので、お変わり。コンピューターをしながら、夜を明かそう。写真を見ていると、台所とお掃除を受け持っている女性が、後ろから覗いた。オーチャード通りに写真を見て、綺麗ですね、と。オーチャード通りだと云うと、「高い。値段が高い。」そこで、可愛いい写真を見せますね、と、妹の赤ちゃんの写真を見てもらった。「可愛い、可愛い。」と。片言の日本が飛び出す。

 話をしてみると、彼女は日本で働いた事があるそう。「どのくらい?何年?」と聞くとよくわからない。1年か、1日か、1ヶ月なのか。1がつくことは確か。

 彼女は、また自分の持ち場に帰って行く。急に眠くなって来た。トイレに行き、顔を洗い、寝る準備を整えて、椅子に座ると、何時のまにか人が二人入っている。

 椅子では寝られない性分だけど、1時間くらい眠っていた。起きると、沢山の人がいる。時計は5時半になっていた。朝食に、お粥が出ていた。スパゲッティーもまだ残っている。サンドイッチは飛ぶように出ていく。朝の食事をラウンジで済ませる人が多い。コーヒーとサンドイッチ、それにお粥もいただいた。

コンピューターのアクセスが出来なくて、見てもらったり、やり直してみたり、時間を忘れていた。時計を見ると、7時半だ。あわて荷物を整理して、受付の人に聞くと、調べてくれた。まだ間に合うから、18ゲートまで行きなさい。電車よりも歩いて行く方が早いですね。7時45分までに行けば良い。

 いつものこと、走りながら、18ゲートを目指す。すみません。急いでます。エスカレーターの前の人に断ってあけてもらい、汗だくになって18ゲートまでたどり着く。

まだゲートは空いていなかった。私のチケットには7時20分に、と書いていた。

 ほっと一息、トイレに行く。いつもこうなのだ。いつも走り、あわてて、心臓の鼓動を聞きながら、無事、飛行機に間に合っている。