パイロット養成所

  

 朝、車を借りて、ロングアイランドにある、パイロット養成学校を見に行った。

ニューヨークから車で40分の所にある。ロングアイランド鉄道は1時間に1本しかない。 空港に着くと、小型の飛行機が沢山とまっている。それらはほとんどが自家用だった。側にはホテルがある。ニューヨークからボストンやメイン、ワシントンなど飛行機を使っているお金持ちが所有している。そばにリゾートホテルがある。

 飛行機の免許は、プライベート、インストラクター、大型飛行機のパイロットに分かれていて、飛行時間が決められている。海外や、地方から来る人達が、そばのホテルに滞在して、飛行訓練を受けるのだろう。

 案内」してくれた人は、5年前までは弁護士だった。彼は全額を前納して払い、インストラクター資格が取れる250時間はクリアーして、これから試験を受ける。養成所のフロントで働かせてもらいながら、飛行訓練を受けている。インストラクターの免許が取れれば、専門職用に必要な1000時間飛行を、教えながら取っていく。

 プライベートで自家用飛行機は50時間くらいの飛行時間が必要だとか。

人間のルーツは鳥だったから、飛びたい人が多いのだろうか。

 飛行機を見せてもらうと、操縦席は自動車のなかよりも小さいくらい。座席は4席で狭い。

 息子は、サンディエゴの学校まで見学に行った。これまで4校ほど訪れている。そのうちに熱が冷めると思っていたら、どうも本気のようだ。通うのに車も買った。

 命がけでやるつもりでしょうね、と私は念を押す。息子の人生は彼だけが負えるもの、私は傍観者にすぎない。夢と希望を抱いて全力発信する日も近いのか。土壇場の所で、やーめた、と言うのか。夢は夜開く。夜になると興奮し、朝になると沈着する。彼はまだジレンマの真っ最中。

 今の所、飛行機よりも、先日落札した、シビックに気を取られているようだ。駐車場がいる。車があると、ワシントンにもボストンにも行ける。シビックが沢山走っていると、

「あれと同じ車だ。」ニューヨークはシビックがお好みのようで、中古車のバリューは、トヨタよりも高い。タンパの売り主は、見て気に入らない所があるなら返金するという。16000ドルのバリュー価額だから、他の人に売った方が良いと思っているのだろう。

 

 日本と違って、アメリカは、中古の価額が落ちない。息子が以前に乗っていたレガシーは、日本に帰る人から500ドルで買った。20万キロ以上走ってきた車を、更に2年乗って、1500ドルで売れた。もともと3000ドルくらいのバリューだった。日本人の感覚とは大きな隔たりがある。

 私も、中古の値段を聞いて、なんでそんなに高いのかと思う。うそ、そんな値段で売れないでしょう。誰が買うの?日本での頭がそう思わせる。