9月のMOMA

  MOMA内部から   金曜日は、MOMAのフリーデイ、グッゲンハイム、ホイットニーの美術館のドネーションデー。  地下鉄のR線57ストリートで降り、55ストリート出口に出ると、タイムズスクエアーが見える、賑やかな通りに出る。シェラトンホテルに歩いていくと、カーネギーデリという店がある。ブロードウェイスターや著名人の写真が貼ってるので、中を覗くと、由緒あるカフェのようで、中にもデカデカを写真が飾ってある。テイクアウトも出来る。     外から写真を撮り、シェラトンに入り、トイレを拝借して、MOMAの外で最後列に並んだ。4時にはまだ20分ある。お昼を食べていないのでお腹が空いてきた。でも待たなくちゃ。10分前になると動きだし4時にならない間に、入館出来た。  青空に白い雲が浮かび、爽やかな風が渡る季節、1階の中庭に出てみる。早く来たので、話をしながら寛ぐ人達の中、ゆっくりと庭を巡る余裕があった。         冬場に来る事が多いので、暗くなっていることが多いし、まだ明るくても寒さが庭に出るのを拒む。紅葉にはまだ時間があり、緑が濃くなる季節は、一番気持ちの良い時期かもしれない。紅葉が始まると、冬の寒さが漂い始める。のんびりと庭に座っているには寒さが身に染みる。紅葉になると散策が一番良い。    今回、 MOMAで興味深かったのは、フイルムだった。「夫と妻」、男と女が生まれて、愛の形をあらゆる角度から、写真とビデオを組み合わせながら一つの作品に仕上げている。性をここまであからさまに映し出すフィルム、これを芸術として公に公開して良いの?すごいシーンを見せられ、ショッキングー。男女、ゲイ、レズ、娼婦、老人のカップル、自慰などの性の営みをビデオカメラで撮った部分が様々な人間の精神構造を浮かび上がらせる写真の停止部分と組み合わして出している。最後にはお墓が映り、匿名の「ハズバンド」「ワイフ」という墓碑銘。インパクトはすごい。もうびっくり仰天だった。音楽は「聞かせてよ愛の言葉を」で始まり、そのシーンに合った、郷愁を誘うオールデイズな音楽が選定されている。ビデオ作品にあれほど沢山の人達が観ている事を観たことがなかった。     日本人の作品 もう一つの新しい展覧会は「デリバティーホーム」という名がついている。解体出来る家、可動出来る家の、歴史、テーマを追う作品展だった。その中に、黒川紀章の東京にある、可動マンションの模型があった。記章はバロック建築の可能性を追求した建築家だが、 谷口さんの建築である、MOMAの中に、黒川さんの、可動マンションの模型が展示されている。デザインを重視している「MOMA」で日本人作家の評価は高い。