ゴールデン、ユニコーン(麒麟金閣)の飲茶

     日曜日の朝、私達は、マフィンを食べ、コーヒーを入れてすっかりお腹が大きくなっていた。息子は朝抜きで、飲茶を食べに行くつもりだ。飲茶なら、そう食べなくてもいい。  中華街に行くのは、かなりの力がいるといいながら、店が決まった。たしかに、地下鉄を上がると、すごい人が、ぞろぞろと、のろのろと歩いている。辺りから、異臭が漂う。目的の店は、工事中だった。いつも混んでいる店に。沢山人がいる。順番を待っている。美味しい店で、待たされるのは当たり前といわんばかりに、群がり、待っている。  もらったカードは27番、それぐらいの待ちなのかと思ったら、テーブルによって、人数を分けているので、順番通りに呼ばれない。144番という三桁の人が呼ばれた。     私はお腹が空いていないので、なんともないが、息子は腹ぺこでやってきている。友人や、母なら、絶対に待たない所だけど、ニューヨークに慣れている人間は違う。平然と待っている。30分くらい待って、ようやく席に着くことが出来た。  飲茶の味は、すごく美味しかった。人気があるのは当然だと思うが、最初に目当ての店の方が美味しいらしい。私達のテーブルは、合い席で、3人の中国人グループが、横にいた。彼らはお年寄りなのに、沢山注文し、食べずに置いている。持ち帰りを楽しむのだそう。      約茶の中で、私が一番楽しみにしているのは、最後に頼む、ごま団子。この店のごま団子は、白あんの甘さがほんのりで、美味しかった。    飲茶の後、しばらく、イタリア通りを抜けて、ソーホーの辺りまで散歩する。息子のガールフレンドに、インテリアの生活雑貨の店に案内してもらった。センスが良くて、楽しいアイデアに富んだグッスばかり。見ているだけで楽しめる。  再び歩き出すと、マルガリータが美味しいという店の前に。休みだから、とマルガリータを飲みに入った。ハッピーアワーになっていて、半額の5ドルだった。アルコールがはいると、もう歩けない。そのままアパートに帰ることになった。夕方は、タイ料理に店に行くつもりだったが、篤姫を見ながら、食べようと、計画を変更。    しばらく休んでから、私が、韓国スーパーまで、キムチとお造りを買いに。教えてもらった地図を頼りに、地下鉄に。休みなので、本数が少ない。スーパーに着くと、野菜売り場で、大柄の女性が、携帯を持って、大声で怒鳴っている。話し相手に、腹をたてているようす。罵声が飛んでいる。旦那さんらしい人がやってきた。彼女は旦那にまた怒鳴っている。しばらくして、彼女が、はかりキムチを入れている。  私は、頼まれたキムチが、それなのかわからずにいたので、彼女に「このキムチが美味しいのですか。」と日本語で聞いた。   彼女は「え、日本人だったのですか。私が大声だしていたの、聞いてたんですね。」と恥ずかしそう。「私はこの方が美味しいと思います。」と。 買い物をして帰ると、これで正解だった。いつも買うのは量り売りだった。テレビは始まっていた。  クレソンとシャンピニオンのサラダ、しめじのみそ汁、お刺身、持って行った、鮭の昆布巻き、帰りに寄って買った、イタリアの生ハム、など。 飲んで、食べてその日も終わった。