コンピューターが出来ない

  

  

パリのアパートで、高速のインターネットをする方法はないか、近くにあるフランステレコムに出かけた。順番待ちのカードをもらい、20分くらい待つと私の番が来た。

 インターネット、電話、テレビを一つにまとめて、一月29ユーロというのがあるが、これは1年契約の場合で、私のように一月でも解約できるのは、インターネットだけで26ユーロであると言われた。口座番号がいるので、アパートに引っ返し、銀行のシートを持って行くと、電話の契約者との名前が違うので出来ないとのこと。契約者にサインをもらわないと出来ないと言う。他には?と聞くと、日本でもあるランカード式のものがあると。それはいいと喜んだら、12ヶ月の契約が必要だった。他には、もう方法がない。ダイヤル回線だけだ。諦めるしかない。

 アパートに帰り、格安のテレフォンカードを買うために、ピラミッドまで地下鉄に乗った。ピラミッドはオペラ座から、パレロワイヤルへの大通りの中間地点にあり、観光客通りと呼ばれているように、旅行代理店や、日本食品の店、免税店などが沢山ある。日本書店のジュンクに、格安チケットがある。その隣には、日本観光客向けのツアーを扱っているマイバスがあり、中には日本人客が数人いた。

 テレフォンカードは、3ヶ月間に最長900分かけられるもので、料金は15ユーロ。マイバスにも、テレフォンカードを置いているが、こちらは20分とか30分の単位った。 随分差があるが、観光客は、それでも買っていくのだろう。

 シャトレまで歩いて、ポンピドーセンターで無料のコンピューターをするつもりだった、パレロワイヤルのコメディーフランセーズの前まで来ると、チケットを買う為に待つ人達の行列が出来ている。そうだ、私も以前によく並んだ。昔は7フランで最上階席のチケットが買えた。今はどのくらいなのか知らないが、私も並びたくなった。

 以前に「人間嫌い」の出し物を見たくて並んでいると、隣にはリヨンからやってきた婦人がいた。この芝居がみたくて、はるばるやってきたという。そう言う人も、売れ残りの特別料金のチケットを買うために並んでいた。今日も、沢山の人が、開演前に開くチケット売り場に並んで時間が来るのを待っている。開演は8時半、その1時間前になると券が買える。残り券だから、買えない人も出てくる。

 チケット売り場があくまで、まだ30分ほどあった。今日は諦めて、シャトレに向かって歩いた。夕食時で、レストランはもう満席の所もあった。レアル広場の回りには、沢山レストランがある。通りの角の店で、再び人の列を見つけた。ジャズライブのレストランだった。息子が来たら、一緒に来よう。これだけの人が開くのを待っているのだから、きっと人気の店に違いない。回りのレストランの人の入り具合を見ながらポンピドーセンターについた。さて、コンピュータを開くと、1年前のカウントがまだ生きていて、IDとパスワードを要求された。去年の手帳を持ってこなかった。新しく入れようとしてももう入らない。アパートに帰らないとわからない。無駄足だった。お腹を空かせて、地下鉄に。シャトレの案内所で、カルトオレンジのカバーをもらった。今まで使っていたのが破れていたからだ。新しいカード入れは以前のものとは形が違っていた。10年も使っていれば変わるだろう。幾つかの用足しをしながら、最寄りの駅まで帰ってきた。従姉妹へのみやげものを渡しに行くと、昨日と同様に、閉まって中は暗い。寝ているのだろうと、今日は扉を叩かずに帰ることにした。近くにあるカフェでインターネットが出来ると聞いていたので行ってみた。外のテラスにも人がいる。寒くないので、外でも気持ちが良い。

  

 アクセスカードをもらって、やってみたら、全くインターネットにアクセス出来ない。電波は、非常に弱いと出ている。設定がおかしいのかわからないけれど、全く出来なかった。このために、お腹が空いているのに、赤ワインを注文した。一番安いのがワインだったから。それでも3,9ユーロだった。すぐに日本に換算したくなる。小さなワイングラスに、一番安いワインを注文して、650円。ビールの方が良かったけれど、ビールの方がずっと高かった。これなら、シャトレの近くにあった、インターネットの店でやれば良かった。15分で300円、30分で600円だった。

 まずいワインを残して、夕食を買いにモノプリというスーパーに。10時まで開いている店は、店じまいの真っ最中だった。何も買えず、アパートに帰った。明日の為に買ったパンと、サラダ、チーズにワイン。疲れていたので、お腹が満たされ、ワインが廻ってきると、テーブルでコクリ、コクリ。しばらくテーブルの前で寝ていたみたい。

 11時にはベッドに入った。そのまま後は知らない。