映画三昧、夜更かしにはご用心

  

  たこ焼きの店

 この所、アカデミー受賞作が、毎日のようにテレビで放映されている。BSを観て、深夜放送を見て、

映画三昧に明け暮れていた。寝床に入るのは明け方の4時という日が続いた。睡眠時間は3,4時間だった。みのもんたか、ナポレオンか。我ながら元気だなあ、と。昼間はコンピューターにかじりついて、車検を安くするには?とか、クレジット払いに変更したり、ソファーを検索、旅先での情報など、コンピューター三昧。

雪と寒さでヘルスクラブも敬遠、歩くこともなし。一日中座って、マウスを握っているか、テレビを見ているか。そう言う時は、食欲が旺盛になる。甘い物もほしくなる。胃の調子が狂うと、いくらで食べられる。体調の異変に気づいた時には遅かった。

  肉の専門店「はり重」のカツカレー

昼ご飯に、焼きめしを大盛り作って、いざ食べんと口を開けた途端に、あごに変な痛みが走った。顎関節炎である。この間から、こめかみあたりに、変な音がして、噛むと違和感があるので、様子見しながら噛んでいたが、

そのうち、また治まっていた。

 今日はそうはいかなかった。痛くて噛めない。出来たての焼きめしを恨めしく眺めながら、食べる勇気が出てこない。

たちまち食欲は失せ、心が萎えてしまった。

これから海外に出ようというのに、このままずっと食べられなかったらどうしよう。出来たての焼きめしを、冷凍庫に入れようか。思案していたが、しばらく経ってから、もう一度、恐る恐る、チャレンジしてみた。

前歯をもぐもぐさせながら、顎に響かないように食べてみる。

口を出来るだけ小さくあけながら、そっと噛んでみる。ゆっくりと時間をかけて、皿の上の焼きめしは無事、

お腹の中に治まった。明日から、母と叔母達のお供で、有馬に泊まる予定になっている。痛みの感覚が蘇って来ると、憂鬱な気分になる。歯医者に行く時間はない。そこで思い出したのだ。

以前にも、これほど酷くはなかったが、「顎がかくかく音がします、違和感が。」と歯科医に言って、歯形を取り、

プラスティックのマウスを作ってもらったことがあった。しばらく使っていたが、いつのまにか、忘れるように使わなくなっていた。今回は以前よりも症状がずっと重い。医者に脅かされていたことをすっかり忘れていた。

「確かこのあたりに置いた気がする。」と思った所に、マウスがは待っていた。早速口に填めて、これで治れば有り難い。

以前には、たいした事がなかったので、昼間はつけていなかった。

「夜だけでもつけなないといけません。」と言われた違和感など、気にしている余裕はない。

マウス様、マウス様、魔法の力を発揮しして、明日までに、食べられるようにしてください。

コンピューターのマウスの握りすぎを、口の中のマウスに治療を依頼するなんて、

おもしろがっている場合じゃありませんよ。このお馬鹿さん。あんたは、同じ過ちばかり繰り返して。

しばらくは痛い目にあう方が、あんたのためだよ。ほっておかれたマウスが、文句を言っている。

 追伸:翌朝、歯医者に予約を入れると、お医者様は2週間の海外旅行中。出て行かれたばかり。

 私と入れ替わりに帰って来られるらしい。 マウス様、様、あなたしか頼るお方はおりません。