オペラ座で歌舞伎2

ドイツ在住の友人と、彼女が泊まっているホテルの向かいにあるカフェ、プティで待ち合わせた。

オデオンの駅前にあると彼女に聞いていたので、駅の前ならすぐわかるから、と住所を控えておかなかったのは私の落ち度だった。オデオン駅の前で探して見つからなかった。あちらこちらの通りを探しても見つからず、人に聞いてもわからない。ホテルで調べてもらい、待ち合わせに35分も遅れて、やっとホテルは見つけた。ものすごく細い入り口の前に、小さくホテルの名前が書いてある。これでは、誰も知らないはず。誰に聞いてもわからなかった。カフェ、プティもない。ホテルで、聞くと、このホテルのしたのカフェのことだという。中を覗いても友人はいない。ホテルの二階に上がり、部屋を叩いても返事がない。通りの前に、カフェがある。そこを覗くと彼女が座っていた。

 歌舞伎座のマチネーに、彼女はプレミア付の148ユーロで、券を買っている。私は、1時間前に売り場で並んで、7ユーロの席を買った。最上階の4階から、オーケストラ席に彼女達を探すと、前から5番目に座っている。さすが、プレミア付の席だ。場所は最高だ。

 私がいたのは、舞台から一番近い右側の4階席だ。部屋には5つ椅子があるが、前の二つ以外の席は、舞台が見えない。前に、2人お年寄りの婦人が座っていた。彼女達は椅子を寄せて、私にも場所をあけてくれ、ここの椅子をおけるから、と言ってくれたけれど、高所恐怖症の私は、椅子に座るよりも、床に足をつけて、舞台を見るほうがいいので、彼女達の横に首だけだして、舞台見た。こうすると落ち着いて鑑賞することが出来た。その上、写真を撮るにも、台になって、いい写真が撮れた。フラッシュはたかないので、写真を撮ってもわからない。

 ご婦人方は、三味線が気に入った。一人の婦人は、ダンスを期待していて、「勧進帳」はよくわからなかったという。口上では、楽しそうにしていたが、3番目の「紅葉狩り」では、紅葉の花で、字幕が隠れて見えずに、さっぱりわからないようで、途中で帰られた。バレーの日本版のような舞台を期待していたらしい。パリのオペラガルニエは、通常バレー公演なので、そういう感じのものだと思っていたとか。

 舞台が開き、富樫が団十郎に代わっている。とすると、弁慶は海老蔵だ。6尺男だったという弁慶

は、海老蔵新之助時代からの当たり役になっている。花道のかわりに、中央の通路が使われ、距離間がでて、良くなった。花道にはおよそ及ばないけれど。初日よりも観客は盛り上がりを見せ、拍手も多かったように思う。