パリ到着

機内食

 フランクフルトに到着するのが遅れた。パリ行き4時30分に乗り込むには30分しかなかった。迅速かつ必死に対応したおかげで、飛行機に私の体は間に合ったけれど、荷物の積み替えが出来なかったらしい。荷物が出てくるのを待っていたら、アナウンスで私の名前が呼ばれた。今夜か明日の朝の配達になるという。トイレット用品の入ったバッグをくれた。こういうサービスは始めてで、感じは良かったけれど、以前にもディレイがあって、一日分は対応できるようにはしてある。いらないと言うと、なんとも怪訝そうな顔をされて、もらっておくことに。翌日の朝はまだ来ない。電話があり3時になるという。「ずっと待っていて、困るから少し早くならないか。」というと、皆困っている、という答え。確かに。

半日以上つぶれて、美術館の,月に一度のフリーデイを逃してしまった。けれど、友人手づくりの美味しい食事をご馳走になった。

友人親子は、親し彫刻家にお茶に招待されていて、私の話をすると、一緒に、と誘われた。その人には以前に何度かお会いしたことがあり、私の事を覚えていてくれた。

アトリエの机の上にカラフルなオブジェが楽しい雰囲気をかもし出している。お菓子と美味しい紅茶をいただいた。ジャクリーンという芸術家に会ったのはもう随分前のことなのに、彼女は、可愛くてシャイな人柄は、少しも衰えていない。

 昼食も遅く、その上にお菓子をよばれて、お腹は少しもすかない。夕食までに、サンミッシェルに行き、セーヌの辺りを歩こうということになった.夕闇の迫ったセーヌ川に光の影が揺れて、川面に座って語らうカップル、幾人かの恋人達はゆっくりととそぞろ歩きを楽しんでいる。

「ケルボー」なんて素敵な景色でしょう。

 橋を挟んで向かい側には、ノートルダム寺院が光の中に、壮大で神秘的な姿をあらわしている。周りの人影には全く気づかないほど、圧倒される荘厳な雰囲気をかもしだしている。雨の日の午後、その心境を歌った、高村光太郎ノートルダム寺院とは、少し違った幻想的な姿。

 

サンミッシェルには、昔、季節は同じ3月に、近くにあるユーロサントルというスイスの財団が運営している語学学校に通った思い出が多い。

クレープの店や、ギリシャ料理のレストランが路地裏に軒を構えて、学生向きの書店も多い。友人のお勧めの中華料理の店に行った。店内は満席状態、

焼き飯と、シンガポール焼きそば、えびのスープを注文した。美味しかったね、と言ってから、しまった、写真を撮るのを忘れている。どうしてこうも

食べることに頭が行ってしまうのだろうか。

 二人と別れて、サンミッシェルから直通で、今夜泊まるホテルまで帰った。部屋に入り、コンセントのアダプタとカメラの充電機を友人とアパートに置き忘れていることに気づいて、再び、友人宅に。地下鉄とバスを乗り継いで、往復1時間かかってしまった。ホテルでインターネットがフリーなので、どうしてもブログを更新したかった。ああ、もう夜中の3時。