ロックフェラーセンターのクリスマスツリー

ロックフェラーセンターのクリスマスツリー、最初に見たのは、息子がまだボストンに住んでいた二年前の12月。ニューヨークに引っ越すことが決まって、息子は日帰りでボストンから、アパートの物件を見に来ていたので、ラガーディア空港で、私をピックアップしてボストンに行くことになった。帰りは、前日にボストンからニューヨークに移動して、ラガーディア空港のホテルを取っていた。ホテルに荷物を置いてから、マンハッタンに行った。新しくリニューアルした、モーマの近大美術館がフリーだった。ロックフェラーセンターまでの道は、ものすごく混んでいて、なかなか足が動かない状態だった。神戸のルミナリエで経験したように。期待はずれ、というのが第一印象。ワシントンのホワイトハウスのようなクリスマスツリーを想像していたのに。ホワイトハウスのは、敬虔で、厳かな感じがするのに、ビルの谷間にでっかく、きらめくツリーは、デパートの宣伝用の、ただでっかいだけだ、という印象。2回目は、息子がニューヨークにやってきた年の12月。その日は、ものすごく寒い日で、耳もちぎれそう、体中に寒さが吹き込んできて歩いていられないくらい寒かった。ツリーを見に行く人も少なかった。かじかむ手でなんとか、写真を写していると、聖歌隊の歌声が。きよし、この夜、日本語のようだ。 見ると、サラリーマン風の人達が集まって、歌っている。忘年会で、お酒に酔った人達が、にわか聖歌隊を作ったような雰囲気。ご苦労様。日本語の歌を聴くと、なぜか嬉しくて、気持ちだけ暖かくなった。ロックフェラーセンターに、アイススケート場がある。寒さのせいで、スケートを楽しむ人も、まばらだった。   この間、荒川静香が、リポーターとして、セントラルパークのスケート場で、ウナバウアーを思わず披露しました、と言っていた。アメリカには、至る所に、スケート場があって、フィギアーの選手も育つ環境にあるというレポートだった。ロックフェラーセンターのような、ビジネス地区の真ん中にも、気軽に楽しめるスケート場がある。ここのツリーは、市民へのクリスマスギフトのような暖かい、賑やかさに彩られている。ニューヨーク市民に愛されている、ロックフェラーセンターの巨大なクリスマスツリー、というキャッチフレーズを理解できたような気がした。