「名手達のオーケストラによるコンサート」

         

   友人と別れて、私は楽しみにしていた「名手のオーケストラ」を聞きに行きました。

 阪神淡路大震災から20周年の、リクエイムとして、三枝成彰が作曲、曽野綾子がリブレット、指揮は、大伴直人。

 ソプラノの森麻季テノールのジョン、健、ヌッツイオ、という豪華な顔ぶれなので、すごく期待していたのですが。

 

オーケストラのメンバーも、各楽団のコンサマばかりが揃っています。

 沢山の企業の協賛援助も得て、兵庫県知事の井戸さんも、舞台に立っての豪華な舞台です。

 三枝さん

 私が期待しすぎたのか、席が、横の席だったからなのか、思ったほど良くなかったと私は思いました。

 ソプラノもテノールも、聴かせるというほどの力量が足りなかったように思われ、福井敬の方が感情移入も力量も優れている

ように思う。

  サンフランシスコで聞いた、トスカの「妙なる調和」が耳にあるので、美しいけれど、感情の少ない弱弱しいものに聞こえて、物足りない。

  森麻季は、声は綺麗で透き通っているけれど、ボリウムを精一杯だしても、幅がない。

 

 名手ばかりを集めても、共同で作りあげる音がそれだけ素晴らしいとは限らないことも見せつけるようにも思われて。

 サンフランシスコ交響楽団のように、長年、一つの楽団で、皆が呼吸を合わせて作り上げて行ったものの完成度とは、比べようがない。

 大フィルの方が、良かったように思う。

 大した感動もなくて、終わった、という感覚しかなくて、こんなのだったら、聴かなくても良かったと思いながら帰って来た。

 ニューイヤー用に、ヨハンストラウスの舞踊曲を演奏したのも、ウィーン交響楽団の毎年のニューイヤーコンサートをテレビで聴いている

ので、あの流麗な音楽が耳に覚えているので。

リクイエムは、作曲によって、心をうつものに変われただろう。 メロディーと言葉のコンポジションが旨くいかなかったのではないかと思う。

 こういうことを言っていたら、音楽を聞く楽しみが半減してしまうのだけど。これはあくまでも個人的な私の感想ですので、ご容赦願います。