歌舞伎映画「大江戸リビングデッド」と西村屋

        

   朝一に上映する、歌舞伎映画「大江戸リビングデッド」を観に神戸松竹に出かけました。

朝早く出ているのは苦手な方なのですが、朝の4時ごろから目覚めているので、それは楽。

 先週で終わる予定だったので、見られないと思っていたら、神戸だけが、一週間の延長上映をしているのを知ってのことです。

火曜日なので、神戸はレディースでデイだけど、歌舞伎は関係ないのですが、それでも、

場内はほとんど客もいない状態で、いままでこんなことはなく、特に神戸は混んでいたのに、と不思議に思ったら、それもそのはず。

 あまり面白くなくて、演出は野田秀樹ではないだろと思ったら、当たりでした。

脚本演出共に、「あまちゃん」で人気急上昇の宮藤官九郎でした。

http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/ooedolivingdead/ 

 面白く描こうとして、じたばたしているのに、対して笑いを誘えない。

演出の方は、放置状態で、役者まかせで自由にやらせろ、とのことだったのでしょう。

 歌舞伎役者は、伝統的な枠を飛び出して、はちゃめちゃに楽しんでいるのですが、それ観客を乗せられない。第一、脚本に魅力がない。

 脚本と演出が全てと言われる演劇ですから、そのどちらもこけたら、くさい芝居になります。

 映画だから、メーキャップの荒い異常さも際立って見えるのも良くなかった。

しかし、見ないとおういう感想は持てないのですから、行って良かったわけです。

 朝早く、パン一個食べただけのお腹ですから、終わったらすぐに食べたくて、映画館の向かいにある西村屋に直行しました。

民芸茶屋はお休みで、隣のステーキハウスの方が空いていて、そこには初めて入ったのですが、隣の民芸にもある、1980円の和食の定食にしました。

昼だけのサービスメニューは、これと、2100円のステーキ定食があります。

 鉄板焼きのカウンターの後ろに、ワインが4本ほど飾ってあって、その中に、息子が空けてくれた、レストランで150ドルだったのと同じワインがあります。

 酒屋で60ドルだったというのですが、日本のステーキハウスではさて、どのくらいするのだろうと気になります。西村屋ですから。

 料理は全て、申し分なく美味しくて、特にお造りの鯛が、とろけそう。

 ご飯にそぼろがかかっていて、友人が「お弁当によくいれたわ。」と三色弁当を思い出して。子供達に持っていかせたのか、私達の子供の頃の弁当にも入っていましたから。

  会社員の子供は、この三色弁当、つまりここにかかっている、そぼろと桜いろのでんぶと卵の崩したんものがご飯の上に綺麗に並べているので、美味しそうだなと羨ましく思ったものでした。

 母の弁当ときたら、鮭か、卵焼きか、一個をおかずにぼんと入れてあるだけの、実にシンプル極まりないものでした。

 カレーをっかけて、弁当箱からにじみでた時の弁当箱と、溶き卵のそぼろを、出汁と一緒にご飯のかけたもの。でもこれがご飯に染みこんで美味しいのです。

 そういうわけですから、丼ものやカレーが今も好きなのです。嫌だと言う人結構いますよ。別々でない,と。

 朝のお弁当どことではなかった忙しい母でしたから、当然なのですが、手の込んだ愛情弁当を開いている友達の、三色弁当が美味しそうにみえたものです。

 ですが、その味は、思っていたのとは程遠いもの、彩は綺麗でも、味はさほど期待したものではないのです。

 鮭にご飯というシンプルですが、あの美味しさは誰もが知っているでしょう。

カレーだって、お替りしたくなるくらい。厚焼き玉子の甘い美味しさ。

  私の食の原点はそんなところにあるのかもしれません。

勿論、西村屋の、上質のご飯にかかっている美味しいそぼろとの相性を楽しんだことも確かですが。