兵庫県立美術館「夢見るフランス絵画」展

      

 友人からいただいた招待券があったので、連休の喧噪を避けて、明けてから兵庫県立美術館で開催中の「夢見るフランス絵画」展を観に行きました。

 岩屋で待ち合わせて、以前は「同源」で昼食を取るのが楽しみだったのですが、

日曜休日になってからは、やはり駅に近い、とんかつの店での昼食。

 この店が、また美味しいのです。

 美術鑑賞の前なので、酔っぱらうわけにはいきません。

軽くビールと、とんかつは絶妙の相性です。いつ行っても、客がいなくて、御夫婦お休みの所を、おじゃまするというタイミング。

 とんかつが出て来るまで、ビールのあてに、納豆を注文したら、「今日は日曜日なので、品切れ」とのことで、[大根おろしは出来ますか?]と聞くと、それなら出来るでしょう、と台所の奥にいる奥さんに声をかける旦那さん。旦那さんがカツをあげる名人で、カウンターの中で準備中。

 ビールも半ば終わりころ、上とんかつ定食と、エビフライ定食がテーブルに並びます。

 素材が良いものをつかっていて、野菜もポテトサラダも、とても美味しい。

 友人は、「5回目くらいかな、」と言いますが、3回目です。

良く晴れてさわやかな5月ですが、、真夏日のように気温は高く、美術館への道を、ぐだぐだたわいのないことをしゃべりながら歩きますと、恐竜のオブジェで子供達が遊んでいます。

 日本も、アートスティックな場がごく普通に観られ、肌で感じられるようになってきました。

 階段を上がって展覧会の会場に行くと、この美術館の良さを味わえます。

 歩ける間は、歩いて上ろう。足の無理が生じてくれば、エレベーターを使いましょう。

会場に入って、絵をみながら、どこから来たのかと思うのですが、何も書いていない。

元に戻って、説明を読むと、「日本のある収集家の作品の中から、、、」とか。

え、すごい。誰だろう。日本でこんなにコレクトできる人物は。

 孫正義じゃなかろうか、なんて想像しながら、最初はなかなかすごい、オークションで手に入れたものだろうか、と感嘆しながら見ていた。

 デュフィーの「ニースのホテル案内」は赤とブルーの鮮やかな作品で、マチスを思わせる色使い。パンフレットの載せてある、セザンヌの「大きな松と赤い大地」は、セザンヌらしい作品で、色が確かに、「夢見る」よう。秀作だ。

ルノワールの「ド、がレア夫人の肖像」

モジリアーニの「バラをつけた婦人像」は、めずらすく目がかかれている。

 モネの水連は、倉敷に、児島がモネのアトリエを訪れて、手に入れた秀作にとてもおよばない。

 夕焼けの海を描いた作品が、姫路の美術館のコレクションに似た傾向のもの。

 ブラマンクばかりを集めた部屋があって、セザンヌの影響の後が顕著な色使いの絵から、

 暗い部屋に、浮き立つ、大胆な構図の絵が並んでいる。

どれも、道を描くのが目的の絵だ。

ブラマンクの絵を見ていると、私も画いてみたくなる。友人もそう思ったそう。

それは難しい絵ではないから。自由に絵の具を塗りたくって気持ちのままに走らせれば、

画けるなあ、と言う思いにさせてくれる。

藤田嗣二の絵などは、職人芸だから、絶対に描けないけれど。

ユトリロの絵画は、1908年頃のもんと、1913年の作品を除くと、売り絵として描かれたものばかりのように思えた。

藤田の絵も、シャガールも。

常設の絵画

 ルーブルや、メトロポタン、ボストンなどで、見る絵との違いは歴然だけど、収集家の好みにもかかわってくるだろう。

 会場を出ると、北斎の版画が目に入った。ボストン美術館から来ているらしい。

 すごいなあ。素晴らしい。パンフレットの印刷だけど、構図の完璧で大らかさに触れて、

さすが海外の人々が絶賛するだけのことはあると誇らしく思う。

 モネもゴッホも、日本の象徴的で自由で大胆な絵に、どれほど驚嘆し、憧れたことでしょうか。

金山平三

 常設室の、金山平三の絵画が、素晴らしい絵画の展示があるときは、平凡に見える時もあるが、今は、その素晴らしさが際立ってみえる。

 自然主義の画家で、てらいのない大らかで、ほっとする絵が目線の高さに収まっている。

ソファーに座って、しばし疲れを取るのに、ぴったり。

常設室は、神戸ゆかりの画家のものが多い。

吉原忠良

 代表的な、小磯良平の部屋、金山平三の部屋、その奥に、,買い入れた作品が展示されている。 

 兵庫県立美術館らしいゆかりの作者の絵はいつでも常時みられる。安藤忠雄の設計の中でも、この美術館は代表的なもの。

神戸の文化建築の財産だ。マックライトの建築に負けていない。

海側から望む外観が美しい。