映画「家族の灯」

歯医者の帰りに、シネリーブス梅田に行った。

 なかなか映画を見る時間をつくれないので、今日は

思い切って。

 観たい映画は沢山ある。その中で、「コーヒーをめぐる冒険」

と「家族の灯」を選んだ。

時間まで1時間あるので、そのあたりを歩いた。今朝、早起きしたので、

映画が始まると、うとうと。6つも賞を取っているので、期待しいた、

「コーヒーをめぐる冒険」なのに、眠気が襲う映画で、途中、我慢できずに

出て行った人もいた。

「家族の灯」は、見ごたえのある映画だった。

http://www.alcine-terran.com/kazoku/

最高齢の105歳の監督作品なので、名画を多く出していた頃を彷彿とさせる、正統派の作品だ。

舞台劇のようなセッティングで、高齢の役者達の台詞で引っ張って行く作品だ。

レンブラントの光を見るような暗さの中の希望の光を捉えた舞台装置。

皆m、芸達者な役者ばかりで、言葉の響きが美しい。

ラシーヌの悲劇をみるようにも思われる。

クラウディアカルディナーレとジャンヌモローが共演しているというので、見たいと思って選んだのだけど、見終わった後でも、ずっと窓辺からぼっと見える、うすぐらいガス灯のような、人の影を隠す灯りの下に、雨が降り続けて居いるように、途方に暮れて泣いている登場人物達の姿が残っている。

不在の息子を待つ家族に灯されていた薄暗い希望の灯、家族の灯りであった息子が、

戻って来る。何もおこらないことの幸せが辛うじて家族をつないでいた。

待つことへの希望を乗せて。

8年待ち続けた息子は、犯罪者として、刑務所にいた。

彼は、会計士として預かった大金を盗んで、再び消える。

父親は、「私がやった。」と叫ぶ。妻を悲しまさないために。希望の灯を消さない為に。

いつか、息子が家族の愛を理解し、生き方を変えてくれることを願って。