映画「少年H」を神戸のミントで観ました。
神戸の友人と12時に待ち合わせ、1時半の部をみるつもりだったのですが、
火曜日はレディース1000円だからか、チケット売り場は満員で、1時半の部は
売り切れ寸前、当然私の番が回っていた時には、売り切れ。
先日、西宮ガーデンズからの帰りにばったり出会った人は、コナミに来ている人で、
単身赴任のご主人と仲睦まじく、梅田で映画を観て来た帰りで、「世界戦争」という映画がとても良かったとのこと。
ミントでもそれを上映中で、友人は、それも面白しろそうで、観たいとのこと。
二人が言うなら、きっと面白いのだろうと、1時半から始まるブラッドピット主演のそれを見ることにしました。
少年Hも、4時過ぎの部なら十分席があるので、ついでに観て帰ることに。
世界戦争は、ゾンビが一杯出て来て、全くのエンタテイメント映画ですが、手に汗握る恐怖感を満喫させてくれる映画でもあって、ドキドキはらはら。あほみたいな映画です。
クーラーが効きすぎて、身体が冷えてしまった。劇場は満席で、いつもかりるブランケットは一枚もなかった。
チケットの半券で10パーセント引きのレストランで、ランチすることにして、スペインのパエリアの店に。
すっと以前に、この店に入ったことがあって、美味しくないと思っていたのですが、結構入ってるので、料理人が変わったのでは?と期待したら、同じ。パエリアなら美味しいのかもしれない。
「少年H」は、戦時中の神戸が舞台の映画なので、神戸の映画館は、動員数が多い。
この映画は、なかなかの出来で、暗い時代にありながら、神戸らしく、西洋の香り漂う、
スマートで洋風な雰囲気を漂わせ、ユーモラスに描かれていて、陰鬱な影は全くない。
戦火を潜り抜けて生きて来た子供たちの、揺るぎない精神力の強さ、真実を見分ける鋭さには、共通するものがある。
三輪明宏も最近は、戦争の悲惨さを語らないといけないと思い、あちらこちらで機会あるごとに語っているが、この映画の中でも、
昨日までの価値観が、全部嘘だったという教育の転換、人間の行き様の転換、思想のなさ、を見せつけられた少年が、理不尽さの憤りを、父親にぶつけ、それをイエスの如くに受けいれる父を持っていたからこそ、
自分の目で見て、感じたことを学び、自立していく姿を描いている。
人間、何もない所から、自分の力で生きて行くためには、手に職を持っていることの強みを、この映画で感じた。
洋服の仕立て屋である、父親を持った、息子は、絵を画く事が好きで、看板画きの弟子入りとして、自活していく。
優しくかばってくれた、中学の教官は、焼け野が原で、時計の修理で生計を立てている。
少年の描く、マネの絵画もわからない教官は戦争という傘の元で、威張り、弱いものを痛めつけていたが、稼業の質屋に戻ると、人間が変わったようにぺこぺこしている。
そういう姿からも、少年は、学んでいく。
少年期に、戦争体験をした少年達の中から、多くのリベラリストが生まれている。
不屈の精神の強さを持った人達が世に出ている。
妹尾カッパもそのうちに一人。